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日本でTOEICR Program運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が主催する英語エッセイコンテスト、「第13回IIBCエッセイコンテスト」の表彰式が11月6日に行われました。

同コンテストは、高校生を対象とし「私を変えた身近な異文化体験」をテーマに実施しているもの。13回目を迎えた2021年は、本選に140校218作品、奨励賞に39校1,753作品が応募。慶應義塾湘南藤沢高等部1年、矢野絵理奈さんの「Face the Discomfort」が最優秀賞に選ばれました。

01_矢野さん_最優秀賞

タイトル「Face the Discomfort」は直訳すると“不快感に直面する”です。矢野さんは、アメリカ留学中に学んだ実体験を基にエッセイを執筆。アメリカでは生徒同士がお互いの習慣や人種などを尊重し合っていることや、歴史の授業で第二次世界大戦が取り上げられ、日本人としてどのような発言をすべきか悩んだことなどが書かれています。「書き始めた時からシチュエーションが鮮明に浮かび、すらすら書けた。今回のエッセイは、限られた文章の中で自分らしく印象的に伝えることを意識した」と矢野さん。また、第二次世界大戦が取り上げられた授業については「自分自身が固定観念に囚われていた。思っていることを伝えることで、活発な議論が生まれることを学んだ」とし「国際社会では英語だけでなく、自分の思いを伝える勇気や意思が大事。この経験を活かして、真の国際人になりたい」と語りました。

国際問題に対する高校生の意思表示

02_溝口さん_優秀賞

優秀賞に選出された渋谷教育学園渋谷高校1年の溝口理子さんは「Everybody Needs Some “Osekkai" In Their Life」を執筆。インドネシアに3ヶ月滞在した経験と、先進国に生まれた自身が国際交流に対してどのように貢献すべきかを考える内容となっています。溝口さんは「書くことが大好き。曖昧だった将来のビジョンを明確にすることができた」と話していました。

03_木下さん_優良賞

「The Bridges to True Peace」で優良賞を獲得したのが不二聖心女子学院高校3年の木下桜さん。核兵器廃絶など、人類規模の平和をテーマとしました。また、昨今の新型コロナウイルス感染拡大を受けて「人種差別などで世界が狭くなったと感じた。環境や難民といった国際問題も、壁を越えて人間として向かい合うべき」と訴えました。

コンテストの審査員であり公益財団法人東洋文庫専務理事やハーバード大学アジアセンター国際諮問委員を務める杉浦康之氏は、受賞者らのセンスの良さを称賛。「人生を真剣に、感度良く歩んでいる。不便なことやおかしいと思うペインポイントに注視し、どんどん行動を起こしてもらいたい。多くの高校生がコンフォートゾーンから飛び出る意思表示をしている。とても勇気のいることだが、これからの社会に必要なこと。ぜひ、チャレンジを続けてほしい」と評しました。

2021年の高校生は、いわゆるZ世代。スマートフォンやSNSが当たり前の時代を生きています。あらゆる情報を吸収しセンスを磨いている彼ら彼女らの力が、国際問題解決の一助になるかもしれません。

第13回IIBCエッセイコンテスト
https://www.iibc-global.org/iibc/activity/essay.html