奈良で、江戸時代の雰囲気が感じられる町並み「今井町」は、観光客に根強い人気がある。国の「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定され、東西約600m、南北約310mのエリアに約500棟もの古民家などが残る、規模としては全国屈指だ。

その今井町、ちょっと歩き始めただけで、江戸時代にタイムトリップした気分が味わるので楽しい。

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あの映画やドラマのロケ地でよく使われている歴史的な町並み

その今井町は、映画やテレビドラマなどのロケ地としてもよく使われている。例えば、NHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」や「あさが来た」、映画「燃えよ剣」そして「るろうに剣心 最終章 The final」など。

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旧米谷家住宅は、「るろうに剣心 最終章 The final」のロケ地で、一般見学無料。かつて「米忠」の屋号で金物商と肥料商を営んでいた切妻造・本瓦葺き・平入りの町家だ。劇中では、蒼井優が演じた高荷恵がけが人を治療した小国診療所として登場する。

続々オープンする古民家カフェ。その先駆け店舗から「蔵」の宿泊体験も!

今井町では近年、古民家を使ったおしゃれなカフェやショップが次々とオープンしていることでも話題だ。

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今井町のカフェ、その先駆け的存在なのが「ハックベリー」だ。今井町の入口近くにある大きなエノキ(榎木)が目印で、店内もとてもおしゃれかつ斬新で、地元の人々にも観光客にも人気が高い。

築150年以上の古民家をリノベーションし、地下、1階、中2階、そして屋根裏といずれのフロアも雰囲気が違い、西洋と東洋のさまざまな文化のエッセンスが取り入れられたまさに異空間。それでも居心地のよさが感じられる。

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ランチ、ティータイム、そしてディナーで提供する料理もおもしろく、ダッチオーブンで焼いたドイツ風パンケーキ「ダッチベイビー」をはじめ、アボカド丼やオリジナルのカレー「ハックベリーライス」など。

一度ならず何度でも訪れたい古民家カフェ。日中と夜ではまた違う雰囲気が楽しめる。

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今井町にある昭和レトロな道具や雑貨などを販売するショップ「笑夢空 em.sky」(えむすかい)も、おすすめのショップの1つ。

大阪市から故郷の橿原市に一家で移住してきた店主自らセレクトした昭和時代がメインの食器などは、どこか懐かしさが感じられるものばかりで、しかも普段使いしやすいものが所狭しと並ぶ。

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近年、ショップ内にカフェスペースもオープン。今井町にあるコーヒー豆通販専門店「富田屋」の豆を使ったコーヒーなどのドリンク、最近、今井町で話題の「おにみみコーラ」を使ったフロートなどが味わえる。

自家製の「本日の気まぐれおやつ」として、この日はいちごとゆず、抹茶米粉のシフォンケーキがジョッキに入ったスイーツをいただいた。ボリューム満点で程よい甘さ、とても美味しかった。

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さらに、奈良県産無農薬の新鮮野菜を使った料理が味わえるランチが人気の「農家のオーベルジュ こもれび」では、1日1組限定で「蔵」に泊まることができる民泊も。

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古民家に泊まる機会はあっても、蔵に宿泊する経験はそうそうできないはず。宿泊者が利用できるトイレや風呂なども完備する。

素泊まり1人7,500円、2人以上5,500円で、1泊2食付きも可能(いずれも1人当たりの税込料金)

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今井町で300年近く続く酒蔵、縁起いい銘柄「出世男」は昇進祝いにも

今井町で現在も唯一続く酒蔵が「河合酒造」だ。看板商品として「出世男」が有名で、300年近く受け継がれてきた伝統を守り続けながら、日本酒造りを続けている。

河合酒造の建物も、国の重要文化財。18世紀後半に建てられたという。今井町の中でも存在感がある2階建てで、入口には「お酒の神様」として信仰を集める三輪明神の杉玉が吊るされている。

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建物を入ってすぐの場所に並ぶ、河合酒造が造る「出世男」をはじめ、純米酒「うねび」など清酒の数々。日本酒好きにはたまらないだろう。季節限定のお酒、奈良漬や「大吟醸出世男」に漬け込んだ日本酒ケーキなどもある。1階スペースは無料で見学でき、日本酒を作る時に使う道具、昔の酒造りの様子を説明するジオラマなどがある(展示室は11月〜2月の酒造期は見学不可)

特に「出世男」はその銘柄から、昇進や昇格、栄転祝いなど「縁起が良いお酒」として人気が高いという。今井町のお土産としてもぜひおすすめだ。

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(Written by A. Shikama)