京都市内に数多ある「銭湯」は、市民として旅行客にも人気。その京都府内には営業中の銭湯が150以上あるとも言われる。温泉でもスーパー銭湯でもない昔ながらの銭湯は、いざ利用するとどこか懐かしさを覚える。

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銭湯の中でも「キング オブ 銭湯」と呼ばれる、いわば京都の銭湯で頂点に君臨する存在なのが「船岡温泉」だ。京都市北部、船岡山の南にある。建物は、文化庁の登録有形文化財に指定されている。

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船岡温泉は大正12年(1923年)に料理旅館「船岡楼」として創業したのが始まりで、もうすぐ100周年を迎える。建物外観からまず、銭湯の域をゆうに超える威厳さに圧倒される。先の第二次世界大戦での戦火を免れた京都で、船岡温泉も戦前からの建物がそのまま残った。

入口の唐破風(からはふ)造りは、近くにある西陣が「西陣織」で知られ、織物職人たちが銭湯をひいきにしていたことから、職人のプライドや経済力が影響したと考えられるという。

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そして、館内も見どころ多々。色鮮やかなマジョリカタイルは大正から昭和初期に日本で流行したイギリスのヴィクトリアン・タイルを模倣したもので、今も現存するのは貴重だ。天井には鞍馬天狗、上海事変などの透かし彫りの欄間も見られる。

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風呂は、日本初の電気風呂をはじめ、ジェットバス、水風呂、檜風呂、薬草風呂、露天風呂、サウナまである。露天風呂から見える庭園も見事。サッと入るだけの入浴ではもったいなく、わざわざここまで足を伸ばして通うリピーターがいるのも納得する。

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なお、屋号に温泉とつくが、実際には温泉ではない。京都の地下水をくみ上げている。昔、北陸地方から来た人が「北陸といえば温泉、温泉と名が付くほうが印象強い」として、温泉と付いたとの伝承がある。他にも、銭湯に温泉が付くところは京都や大阪などに多い。

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■船岡温泉 公式サイト
http://funaokaonsen.net/

■「そうだ 京都、行こう。」禅と湯 ととのう京都
https://souda-kyoto.jp/other/totonou/ 
(2022年1月7日〜3月13日)

■京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅」
https://ja.kyoto.travel/specialopening/winter/2021-2022/
(2022年1月1日〜3月21日)

※お出かけの際は行政による移動自粛についての最新情報や各施設の営業情報をご確認ください。

(Written by A. Shikama)