京都・宇治に、日本で最初に曹洞宗の道場を開いた「興聖寺」がある。新緑と紅葉の時季は、参道である「琴坂」の美しい光景が、旅行客らに人気が高い。

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興聖寺の歴史は、実は紆余曲折の連続。曹洞宗は鎌倉時代に中国・宋から伝えられ、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗が日本三大禅宗であり、今も全国に多くの寺院そして信者がいる。

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曹洞宗を伝えた道元は、臨済宗の建仁寺で修業して中国に渡り、その後に帰国して1233年に伏見深草の地に、興聖寺を開創した。しかし、開創してほどなく比叡山から弾圧を受けたため、道元は越前国(今の福井県)に永平寺を開山。興聖寺は一度は廃れたものの、1645年にここ宇治に再興されて今日に至る。

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境内には見どころが点在する。例えば、関ヶ原の戦いの前哨戦となった伏見の戦いで落城した伏見城の遺構で建てられた本堂には、天井に血痕の手形や足形が残る「血天井」や、外部侵入者の危険察知のための「鶯張りの廊下」がある。

また、宝物殿の聖観音菩薩立像は、宇治が舞台の『源氏物語』宇治十帖に登場する「手習いの杜」に祀られていたとされることから、「手習観音」と呼ばれる。

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興聖寺では、初めてでも気軽に参加できる坐禅や写経などの体験を行っている。また、期間限定で、地元の特産品である宇治抹茶でお香を手作りする「宇治抹茶お香づくり」(※)も体験できる。

お菓子の木型で作るため、お菓子のようにかわいいお香ができ上がり、優しい抹茶の香りを制作中、そして自宅でも楽しめる。

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■興聖寺(宇治) 公式サイト
https://www.uji-koushouji.jp/index.html

■「そうだ 京都、行こう。」禅と湯 ととのう京都
https://souda-kyoto.jp/other/totonou/ 
(2022年1月7日〜3月13日)

※ととのう京都 宇治抹茶お香づくりと僧侶がご案内する興聖寺
受付締切日:各開催日の4日前
設定日:2022年2月11日(金・祝)、12日(土)、3月12日(土)、13日(日)
旅行代金:7,500円(おとな・こども同額)
詳細:
https://ec.jrtours.co.jp/ec/search/pc-tour-list/ty-op-totonou/?top_type=6&dep_region=01

■京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅」
https://ja.kyoto.travel/specialopening/winter/2021-2022/
(2022年1月1日〜3月21日)

※お出かけの際は行政による移動自粛についての最新情報や各施設の営業情報をご確認ください。

(Written by A. Shikama)