今年も時が来た。同じ街、同じスタジアムを本拠地にするミランとインテルがカンピオナートで激突するミラノダービー!!!
首位を走るのはインテル。勝ち点4差で追いかける3位ミランというお互いが上位にいる状態でのダービーとなった。インテルはここまでわずか1敗と絶好調。メンバーも主力の離脱はほとんどなく、ベストメンバーで挑むこととなった。
一方3位ミランはやや失速気味。さらにFWのズラタン・イブラヒモビッチ、アンテ・レビッチ、CBのフィカヨ・トモリ、シモン・ケアーら主力が多数故障離脱。試合前の予想もインテルが有利とされていた。
苦しい台所事情がありながらも、ミランはここが正念場。スクデット奪還のためにもこのダービーを落とすわけにはいかない。

現地時間5日(日本時間6日深夜2時)、運命のキックオフ。
序盤からインテルが主導権を握り、ミランゴールに襲い掛かる。10分、左サイドでクロスペリシッチが上げたクロスを、ファーサイドのドゥンフリースが高い打点から頭で合わせて、ゴール右に叩き込む。しかし、これはペリシッチがオフサイドとなりノーゴールに。
さらに11分、ブロゾヴィッチのミドルシュートがDFに当たり、コースが変わるも、GKメニャンが素晴らしい反応でギリギリのところでセーブする。
28分にもゴール前でパスを受けたドゥンフリースが強烈なシュートを放つが、メニャンが至近距離で防ぐ。

試合が動いたのは38分。インテルのコーナーキックをチャルハノールが蹴る。ボールはゴール前でフリーになっているペリシッチに。これをダイレクトで流し込み、ボールはゴール右隅へ……。インテルが1点を先制する。

1点ビハインドで後半を迎えたミランは、後半頭からサーレマーケルスに代えてジュニオール・メシアスを投入。開始早々にトナーリがミドルシュートを放つなど、防戦一方だった前半とは変わって攻めのシーンも見られるようになった。
そして58分にはトップ下に入っていたケシエを下げて背番号10、ブライム・ディアスを投入。
リードしているインテルは70分、ラウタロ、ペリシッチを下げてアレクシス・サンチェス、ディマルコを。73分にはチャルハノールを下げてビダルを投入するが、この交代が裏目に出てしまう。

75分、サンチェスからジルーがボールを奪うと、トナーリからのパスを受けたディアスがシュートを放つ。これがインテルDFに当たってコースが軌道が変わると、最後はジルーが足を何とか当てて押し込み、ミランが同点に!!!
続く78分、ディアスから内に入っていたカラブリアがボールを受けると、ジルーに向けて縦パスを入れる。ジルーは鋭い反転から左足でシュート。ハンダノビッチがこれに触るも弾き切れず、2-1と勝ち越しゴールが決まった。

試合終盤、ミランはプロフェッショナルファウルでテオ・エルナンデスが退場処分になるも、スコアは動かず、試合終了。逆転でダービーを制し、インテルとの勝ち点差を1とした(インテル1試合未消化)。



ゴリゴリミラン贔屓の採点は以下の通り。

ピオリ監督 8.5
交代投入したディアス、メシアスは良い動きをしてチームを活性化させ、試合の流れを変えることができた。後半開始から積極的に動いていた。

GK
メニャン 9.5(MOM)
劣勢の前半にファインセーブ連発でチームを救った。
彼でなければ前半で試合が壊れていたかもしれない。

DF
カラブリア 8.5
決勝点をアシスト。攻守に渡って貢献していた。

カルル 8.0
コーナーキックからの失点に絡んでしまったものの
それ以外の場面では終始落ち着いていて安定した守備だった。

ロマニョーリ 8.0
ジェコを封じてくれた。
契約更新早くしてくれ。

テオ・エルナンデス 7.5
ドゥンフリースとのマッチアップでは劣勢になる場面が多かった。
推進力のあるドリブルも今回は封じられてしまっていた。
アディショナルタイムの漢気ファウルは感動した。



MF
サーレマーケルス 6.5(WORST)
前半で交代。存在感を出すことはできなかった。

(メシアス 7.0)
決定的な場面を演出することはできなかったが、パスの出し入れや
ドリブルで前に運ぶ動きなど攻撃面で流れを作る働きをしてくれた。

ベナセル 7.5
中盤の守備面で大きく貢献。
終盤はさすがに疲れていた様子だった。
お疲れ様でした。

ケシエ 6.5
トップ下での先発。思っていたような活躍は見られなかった。

(ブラヒム・ディアス 8.5)
試合の流れを変えた。
得点にも絡む大活躍。最近の不調はなんだったのか。

トナーリ 8.5
積極的なミドルシュートは可能性を感じた。
攻守に渡って激しく闘ってくれた。



レオン 7.5
個人技での突破を封じられた感じがあった。
もうひとつ攻め方のバリエーションを取得してほしい。

FW
ジルー 9.5
周りと合わなかったが、終始ポストプレイのターゲットマンとしてボールを落として味方につなげようとしてくれていた。それはチャンスにつながらなかったが、たった3分間で最高の結果を出してくれた。これぞプロフェッショナル。



午前2時キックオフ。試合終了後は当然眠くなるはずが、こんな劇的逆転勝利のダービーを見せられたら眠れねぇよ! ロッソネリの諦めない魂を感じる最高の試合だった。

(Written by ミステル鉄朗)