線路と道路の両方を走る乗り物「DMV」が2021年12月、徳島県海陽町と高知県東洋町を結ぶ「阿佐東線」でデビューした。本格営業運行は、世界で初めてのこと。特に、バスが線路を走る姿が珍しく、鉄道ファンや旅行客らが訪れて話題となっている。

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DMVとは、デュアル・モード・ビークルのことで、バスと列車の両方の機能を備えた乗り物を指す。道路から線路に入る時、さらにその逆の時に「モードチェンジ」が行われる。その間、15〜20秒ほど。モードチェンジする珍しい様子も、外から見ることができる。(乗車中は外から見られないので注意)

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停留所がサーフボード型なのは、路線沿いが太平洋に面したマリンスポーツが盛んな町であることから。事前予約がおすすめですが、当日空席があればその場で運賃を支払って乗ることもできる。バスは時速60kmで走り、約10kmの線路区間で19ものトンネルをくぐり抜け、途中で車窓から美しい那佐湾が見える場所も。線路を走る時のトコトコとした感覚の乗り心地は、一度ぜひ体験してみてほしい。

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運営は、阿佐海岸鉄道。停留所は阿波海南文化村、阿波海南駅、道の駅宍喰温泉、海の駅東洋町などで、土日祝のみむろと廃校水族館、室戸岬などへも向かう。

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人口が減る過疎地において“住民の足”として公共交通機関を存続させるため、市販のマイクロバスを改造した車両、そして既存の線路を使うことでかかる経費を削減。同じような過疎に悩む自治体などからDNV導入に向けての視察も相次いでいるといい、今後の日本でDMVが増えるかもしれない。

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世界初のDMV本格営業運行で盛り上がる地元では、DMVにちなんだグルメやグッズなどが続々登場。始発停留所にある阿波海南文化村などで飲食、購入が可能だ。

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阿佐海岸鉄道 https://asatetu.com/
徳島県観光情報サイト 阿波ナビ
https://www.awanavi.jp/

(Written by A. Shikama)