Jリーグ・セレッソ大阪のマスコットキャラクターは、他のチームで類を見ない「母子」である。夫婦やカップル、その子供などはよくあるパターン。セレッソ大阪はメインキャラクターがかわいい息子、そしてその母親がこれまた「大阪のおばちゃん」らしさ全開で、スタジアムで強烈なインパクトを放っている。今回、セレッソ大阪のホームゲームを訪れ、Jリーグのマスコット界で珍しい母子に取材した。

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息子のロビー、本名はスペイン語で「ノブレ・バリエンテ・アッチェ・ロビート・デ・セレッソ」という。その意味は「高貴で勇敢な、由緒あるセレッソ家の“オオカミの息子”」で、ロビーは愛称。

オオカミは“日本最強の動物”と言われ、同時にイノシシなどから畑を守る、人と動物や自然との協調性、知性と俊敏性、狩りでの団結力や力強さ、さらに夢と希望などあらゆる意味を持つことがセレッソ大阪を象徴する存在とのこと。セレッソ大阪の誕生時からいるロビーは、スタジアムでおなじみの人気者。

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そして、母親は「エレガンテ・エスプレン・ディーダ・マダマ・ロビーナ・デ・セレッソ」といい、愛称はマダム・ロビーナ。翻訳すると「優雅で可憐な、由緒あるセレッソ家の“オオカミの令夫人”」で、ロビーをサポートする存在として2008年10月に登場した。その姿は優雅で可憐である一方、ヒョウ柄などカラフルな衣装はまさに「大阪のおばちゃん」そのもの。サポーターの間から愛嬌を込めて「なにわのおかん」とも呼ばれている。他チームのサポーターにも好評。

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試合前にまず行うこと、ロビーは「セレッソの勝利を願って祈りをささげる」、マダム・ロビーナは「色んな場所のお掃除」がある。特に、マダム・ロビーナが試合前にゴールを拭くのは「セレッソのシュートが入りますように、相手チームのゴールは防いでとの願いを込めて」とのこと。キックオフ前には応援歌「Cerezo(さくら)満開〜セレッソ大阪 勝利の歌〜」を熱唱するマダム・ロビーナの姿も。

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マダム・ロビーナの装いは、見れば見るほど強烈だ。チームカラーのピンクをメインとした派手な衣装と装飾品。時には「ママチャリを乗りこなす」「飴ちゃんを配る」といった、大阪のおばちゃんらしい行動も。セレッソ大阪の勝利時、マダム・ロビーナがセレッソガールとともに勝利の歌を華麗に踊るのも恒例。ちなみに衣装は季節によって変わる。

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マダム・ロビーナと比べると、ロビーは由緒ある家柄の息子らしく、ややおとなしめの印象を受ける。ただ、いたずら好きであり、マダム・ロビーナにハリセンで怒られることもしばしば。





ロビーとマダム・ロビーナは、基本的にホームタウンおよびホームゲームでのみ登場。今年2月に日産スタジアムで開催された「マスコット運動会(FUJI FILM SUPER CUP 2022)にはロビーのみ、昨年10月に埼玉スタジアムで開催のルヴァンカップ決勝は母子で参加したものの、ホームタウンを飛び出すことはほぼない。「機会があれば飛行機に乗ったことがないので(他のスタジアムなどにも)行ってみたい」とのこと。

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老若男女問わず愛されているロビーとマダム・ロビーナ。「今年も選手たちを精いっぱい応援するのはもちろん、ホームタウンをはじめ、みんなに愛される存在でありたいです!」と、マスコットならではの意気込みを教えてくれた。ロビーとマダム・ロビーナのグッズも多くあり、今年2月にオープンした公式グッズショップをはじめ、オンラインショップでも購入可能。ぬいぐるみやロビーポシェットなどはとてもかわいい。

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コロナ禍でマスコットと触れ合う機会が減っているが、セレッソ大阪ではホームゲームで「マスコット写真撮影会」をセレッソ大阪公式ファンクラブ会員対象に、2022年3月19日のコンサドーレ札幌戦の際に実施した。今後も随時実施予定という。今季のJリーグは、ビジター応援席も解禁された。ぜひセレッソ大阪の試合で、仲睦まじい母子の楽しい姿をスタジアムで注目してみてほしい。

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セレッソ大阪
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