新型コロナウイルスの感染拡大収束の兆しがまだまだ見えない昨今。フライトを楽しむことも難しく、気分が晴れない人も多いのではないだろうか? そんな人にぜひおすすめしたいのが、東京ベイ東急ホテルに登場した「ウイングルーム」だ。客室には航空機に使われるシートやミールカート、エンジンブレードなどの航空機材が設置され、陸にいながらにして空旅を味わうことができる。
「ウイングルーム」は同ホテルの1008号室。10階の太平洋を臨む角部屋だ。ドアを抜け、目に飛び込んでくるのは、航空機でお馴染みのシートや機内窓、ミールカートなど。思わず感嘆の声が漏れてしまいそうな斬新な空間だ。
JAL グループでは昨年よりサステナブルな取り組みの一環として、廃棄される航空機部品を用いた商品販売を開始しており、廃棄物の削減とともに空旅を気軽に楽しんでほしいと独自の商品づくりを展開。救命胴衣やシートカバー廃材を活用したバッグは予想以上の売れ行きで、航空機ファンから好評を得たという。
一方、東京ベイ東急ホテルは、コロナ禍による多様化するホテルの利用シーンを踏まえ、これまでマーメイドルームやいちごをテーマとする客室など、新たな宿泊スタイルを提供していた。
そんな中、両社の取り組みの方向性が合致し、東京ベイ東急ホテルの一室に廃棄される航空機部品を付加価値として魅せる「ウイングルーム」が誕生した。
シートやミールカートはJAL国際線の「ボーイング777」で提供されているものと同一。カーペットまで同じというこだわりぶりに驚かされる。シートに供えられたベージュ色のクッションは雲をイメージ。どこまでも空旅を楽しめる工夫が満載だ。
特筆すべきは窓からのダイナミックな眺望。2方向に壁一面の窓が配されており、空とまた、海が眼下に広がる。この絶景こそ、空旅気分を盛り上げてくれると言えるだろう。天候やタイミングによっては羽田空港に発着する航空機を臨むこともできる。客室は43平方メートルとゆったり広々。コロナ禍で疲れた身と心を癒すのにも最適な雰囲気だ。
航空機ファンの心をくすぐるのが、JAL国際線で提供されているアメニティ。JALのイメージカラーを採用したポーチには、ティッシュや耳栓、アイマスクが入っている。さらに搭乗券をモチーフとしたオリジナルの宿泊証明書も用意。一見、普通の搭乗券と見間違えてしまいそうな本格的なデザインに脱帽だ。
さらにエンジンブレードをデザインしたオブジェやボーイング777の写真も設置。どこまでも空の旅を疑似体験することができる。写真に撮ってSNSにアップすれば、注目を浴びるに違いない。
ウイングルームに滞在したら合わせて楽しみたいのが、同ホテル開業4周年を記念したブッフェ「千葉と静岡 食のマリアージュ」だ。開催されるのは2階のレストラン「コーラル テーブル」。 4 月 29 日(金・祝)~5 月 29 日(日)の土日祝日及び 5月2日(月)、6 日(金)限定で実施される。
同イベントは料理長の片之坂亨氏が静岡県出身であることに由来。“ふじのくに 食の都”で知られる静岡と、“食材の宝庫 ちば”と名高い千葉の2県の旬の食材をふんだん使った料理がブッフェ台を華やかに彩る。
メニューはサラダからスープ、シーフード、肉、和食、パスタ、麺と目移り必至な充実のラインナップだ。中でも必食したいのが、約100年前に日本に初めてドイツ式ソーセージの製造法が伝えられたと言われる、千葉県習志野市の「習志野ソーセージ」を使った窯焼きピッツア。豚肉の濃厚な旨味とジューシーな肉汁、もちもちの生地のハーモニーがたまらない。
西伊豆の名物料理「海賊焼」も。イカの墨を練り込んだ麺は独特の旨味が特徴。野菜もたっぷり使われており身体が喜ぶ味わいだ。
静岡の名物みしまコロッケのミニバーガーもぜひ楽しみたい。ふんわりしたバンズとカリッと揚げられたコロッケの食感の対比は見事。さらに銚子港で水揚げされたイワシの天ぷらもイチオシだ。温かい蕎麦やうどんに合わせてもいいだろう。
このほか、千葉県産の北総豚や錦爽鶏、静岡県産の箱根山麓豚など、日頃お目にかかれない希少なご当地食材を使った料理も用意。シェフの腕が光る多彩なメニューを通じて、千葉と静岡の魅力を改めて体感してみるのもいいかもしれない。4 月 29 日(金・祝)~5 月 5 日(木・祝)のゴールデンウィーク期間は一部メニューの食材がバージョンアップする。
ウイングルームの販売は2023年4月25日(火)まで。1日1室のみの限定販売だ。同ホテル担当者によるとすでに5月中の予約は完売したとのこと。気になる人は早めに予約するのが吉だ。
東京ベイ東急ホテル
https://www.tokyuhotels.co.jp/tokyobay-h/index.html