エンターテインメントのあり方が変化し、テレビの楽しみ方も多様化している。そんな中、パナソニックは壁掛けを前提とした4K有機ELテレビ「ウォールフィットテレビ」を11月18日に発売すると発表。これに先立ち10月6日、報道陣向け発表会が開催された。

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従来のテレビはアンテナ線近くに設置する必要があることから、家具のレイアウトが制限されるという不満の声が上がっていた。パナソニックではこの問題を解決すべく、キャスター付きスタンドタイプの「レイアウトフリーテレビ(TH-43LF1)」を昨年発売。置き場所の自由度が高まったと話題を呼んだ。
「ウォールフィットテレビ LW1」はこれに続く第二弾として登場。LF1シリーズ同様にモニターとチューナー部を分離しているため、アンテナ線接続が不要。部屋のどの壁にも掛けることができる。
さらに壁に細いピンを刺して固定する壁掛け金具を開発。一般的な住宅に使われる石膏ボードの壁でも補強工事なしで設置することできる。細いピンで固定できるため取り外し後の穴も気になりにくい。

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別体のチューナーをワイヤレス接続し、画面を振動させて音を出す仕組みを採用。壁から画面までわずか約3.5 cmと、壁と一体化しているかのような印象を受ける。壁掛け用金具をモニターに入り込む設計としており、金具の厚みをモニターが吸収し凹凸もほとんどない。

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自発光の有機ELディスプレイならではの鮮やかな映像で、4K/HDRも高画質で楽しめる。LW1はチューナー部に2 TBハードディスク内蔵し、LW1LはUSBハードディスク(別売)録画に対応する。

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パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社 ビジュアル・サウンドビジネスユニット ビジネスユニット長の阿南康成氏は「ここ数年、インターネットコンテンツは多様化し、デバイスの選択肢も増えた。エンターテインメントの中心を担っていたテレビも役割を変えている。S N Sでも『テレビの存在感をなくしたい』という声も上がっているほど。テレビは一つの転換期を迎えていると捉え、新しい形を追求した」と開発の背景を語った。

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インテリアスタイリストの窪川勝哉氏とインテリアトータルプロデューサーMAKO氏を招いてのトークセッションも実施。窪川氏は「空間を床だけでなく、立方体として活用するのがコーディネートのポイント。壁にテレビを掛けることで重心が床に集まらず、バランスも良くなる。ウォールフィットテレビは凹凸がなく、さらに配線コードも白いことから、日本の住宅にマッチしやすいのでは」とコメント。MAKO氏は「お客様のご自宅をコーディネートする中で、テレビ端子の位置が家具のレイアウトを左右しがちだった。ウォールフィットテレビならば、コーディネートの選択肢が大幅に広がるはず」と話した。

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会場には窪川氏とMAKO氏のコーディネートによる、ウォールフィットテレビ LW1を設置したブースが用意された。どちらも両氏の自宅が再現されている。こちらは窪川氏が提案したコーディネート。テレビの“機械感”が苦手で自宅にはテレビを置いていないと言う窪川氏だが「ミニマルなデザインのウォールフィットテレビはどのようなテイストにも合いやすい」と絶賛した。

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こちらはMAKO氏の自宅リビングを再現したブース。「テレビ台を設置するスペースがないので、テレビを置いていなかったが、ウォールフィットテレビならば圧迫感なく楽しめる。淡いカラーの家具や雑貨との馴染みもいい」と話した。

「ウォールフィットテレビ LW1」シリーズの発売は11月18日。チューナー部に2TBのHDDを内蔵した「TH-55LW1」の税込価格は37万円前後、別売のUSB HDDを接続して録画する「TH-55LW1L」は33万円前後を想定していると言う。

アンテナ端子に縛られず、自由にインテリアを楽しめる「ウォールフィットテレビ LW1」。エンターテインメントのあり方やライフスタイルが変化しつつある今、各方面から注目を集めるに違いない。