2022年、パリーグ首位打者のタイトルを獲得した我らがファイターズの松本剛選手。怪我での離脱がありながら、117試合445打数137安打、打率.347という成績でチームとしては稲葉篤紀さん以来、右打者では初の首位打者獲得となった。しかし、そんな松本選手の活躍がありながらもチームは最下位と低迷。FAで近藤健介選手が移籍したこともあり、2023年シーズンのファイターズ打線に不安を感じているファンも多いはず。
もちろん、2023年の攻撃陣のキーマンは松本剛選手であることは間違いない。ただそれ以上に重要なキーマンになる選手が、“松本剛選手の前を打つ打者”だ。
過去10年間、パリーグ首位打者を獲得した選手たちの打点と得点圏打率を比べてみる。
2013年 長谷川勇也 83打点 .371
2014年 糸井嘉男 81打点 .340
2015年 柳田悠岐 99打点 .413
2016年 角中勝也 69打点 .310
2017年 秋山翔吾 89打点 .318
2018年 柳田悠岐 102打点 .389
2019年 森友哉 105打点 .411
2020年 吉田正尚 64打点 .356
2021年 吉田正尚 72打点 .400
2022年 松本剛 44打点 .419
松本剛選手は過去10年間の首位打者たちの中で、打点は最低だが得点圏打率は最高。ホームランを量産するタイプではない松本選手の打点が伸びにくいということは原因の一つになっているが、驚異的な勝負強さを見せたのにここまで打点が伸びなかったのは他にも理由があると思われる。それが松本選手の前を打つ打者が固定されなかったというチーム状況だ。
2022年のファイターズは新庄監督の元、打順や出場選手が毎試合変わり、松本選手自身も9番以外はすべての打順を経験した。もし打順が固定され、出塁率が高い選手が前にいてくれたら、松本選手の打点はさらに上昇すると思われる。そうなれば得点力不足に苦しむチームにおいて、大きな武器になることは間違いない。そうなってくれば、優勝の二文字も夢ではなくなってくると信じている。
(Written by 大井川鉄朗)