マレーシアのケダ州に広がるウルムダ雨林。ジャングルの中で一番い「トアロン(Tualang)」の樹に、オオミツバチが半円盤状の巣を作っている。この樹から採取される「トアラン蜂蜜」(Tualang Honey)は、東南アジアを中心に高値で取引される稀少なハチミツ。一般的な蜂蜜よりも少し早い毎年2月〜3月、地元のハニーハンターたちが蜂蜜採取を行う。通常は昼間に行うハニーハントだが、熱心なハンターたちは数週間かけて森で採取生活を送る。
真夜中なると男たちの狩りが始まり、最大約80メートルに成長するトアロンの巨木に登っていく。トアロン1本あたり約100個の蜂の巣が付いており、多い時で数百キロの蜂蜜が採取できるという。
巨大な蜂の巣を前にハンターたちは、乾燥したココナッツの繊維で作った松明を燃やし、蜂の巣を掃き散らし明りを落としていく。
蜂の巣から大量のミツバチが飛び出して来るのだが、オオミツバチは明るい方に向かって行く習性があり、蜂の巣から大量のミツバチを追い出した後に、ナイフで巣を切り取って運び出していく。
昼間や明るい夜だと蜂は巣に戻ってしまうため、真夜中にのみ行われる危険なハニーハント。しかし採取中も蜂が戻って来ることもあり、ハンターたちは刺されて無数の傷を負ってしまうという。
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(Written by 山岸悠也)