玉城ちはる後編01

シンガー・ソングライターの玉城ちはるさんは24歳のとき、偶然の出会いから中国人留学生の面倒を見ることになりました。それをきっかけに、貧しくて部屋を借りられない外国人留学生や、養護施設、ひとり親家庭で育った日本人など、延べ36人を10年間ホストマザーとして受け入れてきました。
異文化の者同士が共に生きることの大切さ、他者を理解し受け入れることの難しさなど、ホストマザーとしての生活の中で実感・経験したことを、「多文化共生」という観点から伝える講演会『命の参観日』として、全国の小中高・大学などで伝えています。

この講演の中で、玉城さんは必ず『優しさ貯金ゲーム』というゲームを行っています。これは2人1組になり、手を繋ぎながら、相手の目を見て、「相手に直してほしいところ」と「相手のいいところ」を言い合い、最後は「ありがとう、ごめんなさい、大好き」と言い合います。そうすると、みるみるうちに会場は笑顔に包まれていくといいます。
気持ちをうまく言語化することが出来なかったとしても、相手の嫌な所だけではなく良い所も見て知っているという事が伝われば、誰も悪い気持ちにはならず、喧嘩やもめごとがそれ以上大きく発展していくことはありません。
これは、玉城さんがホストマザーとして生活する中で、いがみ合いや言い争いがあったときに、それを解決するために生み出した手段でした。
少しずつでも思いを言語化し、相手に自分の思いや悩みを伝え、話しあう方法をゲームのようにすることで“相談力”を向上させる事が出来たのです。
玉城さんは「他人に自分の思いを伝える力、相談できる力を身につけることは、これから生きていく上で大事なこと」だと話します。
そうすると、はっとしたように顔を上げる生徒も多くいるといいます。
子どもたちからは「親も頑張っているのに、大変なのに、迷惑をかけられない」と、ひとりで悩みを抱え込んでいたという声が多くあり、講演後はLINEやInstagramのメッセージに、講演の感想と共に「実は……」と玉城さんに相談をする生徒が増えるといいます。

玉城ちはる後編02

さらに玉城さんは、現在7歳の長男と2歳の長女を育てる2児の母でもあり、2018年から毎年『0歳からの親子コンサート〜子どもたちは、泣いても・走り回っても大丈夫〜』というコンサートを行っています。
玉城さん自身、特に長男を育てるときに、とても悩んだと言います。公共の場でじっとしていられない、スーパーで走り回る、レストランで泣き喚く……。その度に長男を𠮟らなければならなかったそうです。
家では長男と二人きり。ストレスから長男を叩いてしまいそうになることもあったそうです。
子どもが走り回っても、泣いても、親が気にしなくていい場所があれば――。
そんな想いから始まったのが、『0歳からの親子コンサート』でした。

このコンサートでは、子どもが泣いても、走り回っても、ステージに上がっても、楽器に触っても大丈夫です。親は自由に動き回る子どもを叱ることなく、ゆったりと音楽を楽しめます。
また、助産師による相談コーナーも併設しました。各種専門機関や相談所はあるものの、子どもを連れて行きづらく、「こんなことを相談していいのか」と迷う方もいらっしゃるそうです。

また、前述のとおり、相談への偏見があり、相談を躊躇うケースも多く、「コンサートに行くついでに、気軽に相談出来たらいい」と、玉城さんは相談コーナーを併設。直接LINEでつながり相談に乗る事で、継続的に支援を行っています。
そうした活動の継続などが評価され、2023年東京公演では主催の児童養護施設から感謝状が贈られたそうです。


さらには月1回、第3火曜日に群馬県太田市にある『こもれびカフェ』で玉城さんが直接、様々な人の悩みを聞き、『相談力』を伝える活動も行っています。
悩みを誰かに伝えたいと思った時に、上手に言葉に出来ないなどの理由から相談しづらいと感じ、諦めてしまう人もいます。
また、悩みを対面で聞いてほしいと思う人も多くいます。
対象は子どもから高齢者まで。どんな人たちもおいてけぼりにしない仕組みを作りたいと、2023年6月からスタート。
不登校など学校の問題を抱える子ども向けの『スタディスペース』と、子育ての悩みを持つ母親に活用してもらう『キッズスペース』も設けている。

メンタルヘルス予防を目的とした相談会で玉城さんと直接触れ合う事で、始めは上手く言葉にできなかった人でも、相談を繰り返す事でどんどん説明が上手になっていくそうです。
そして、説明が出来る、言語化出来るようになると、悩みが整理されて気持ちが軽くなったり、具体的な解決の糸口が見えてくることもあります。
玉城さんは「誰かに悩みを相談する事で必ず答えが出るとは限らないけれど、まずは抱えているつらさや疑問を少しでも話してほしい。人に悩みを打ち明けることを習慣にしてほしい。そうして自分を守る“相談力”を培っていってほしい。」と呼び掛けています。



取材:なお、増田崇志
テキスト:増田崇志
【Not Sponsored 記事】




【玉城ちはるの“伴走支援LINE相談”】
ID検索:@chiharunba


以下のサイトも是非ご覧になってください。
●『命の参観日』オフィシャルサイト
https://inochi.tamakichiharu.com/
●『こもれびカフェ』オフィシャルサイト
https://komorebisoudancafe.jp/
●『0歳からの親子コンサート』動画
https://youtu.be/iKxPj8IwUu0?si=LflBvpJxcgPijkdN
●『セルフメンタルケア研修』動画
https://www.youtube.com/watch?v=NRauo5tcx-0&t=3s
●厚生労働省 まず知ろう!「ひきこもりNOW!」
https://hikikomori-voice-station.mhlw.go.jp/information/