2024年7月のパリ五輪開催に向けて、市街地を流れるセーヌ川での大掃除が最終段階を迎えている。セーヌ川では開会式の他にマラソンスイミングも予定されており、約100年ぶりにセーヌ川を実際に選手が泳ぐことになる。もともとパリ市の中心街を流れるセーヌ川には、周囲の排水が一挙に流れ込む劣悪な環境にあり、1923年には当局がセーヌ川で泳ぐことを禁止にした。パリ市は約10億ユーロの資金を投じインフラを徹底的に改善、1960年代には市内に魚が3種しかいないほど汚染されていたセーヌ川だが、ここ20年間の努力により約30種の魚が生息するまで水質が回復した。今年の7月26日に行われる開会式では、160隻のボートからなる船団がセーヌ川に集結、1万人の選手を乗せて約6キロメートルを下ることになっている。
(Written by 山岸悠也)