島根県に浮かぶ離島「隠岐」は、今でこそ大阪・伊丹空港から飛行機で約50分、高速船だと境港から約1時間30分ほどで着くが、昔は流刑地で知られ、なんとなく遠いイメージが今もある。そして、昔も今も日本の「国境の島」でもある。
その隠岐には、本州ではなかなか見かけない、珍しいものも多い。
隠岐の名物、その1つが「さざえ」である。毎年7〜4月ごろが食べごろだ。島にある居酒屋などで味わえる。カレーのレトルトは土産店などで手に入る。
さざえの瓶詰めもある。酒のアテにピッタリ。
隠岐の土産で定番なのが「ざざえ最中」である。最中のなかにさざえが入っているのでなく、さざえの形をした最中だ。
中身は、甘さ控えめの藻塩つぶあんとお餅。トースターで少し焼くとおいしい。見た目もかわいい。
隠岐土産でもう1つ、名物なのが「隠岐あらめ」である。海に囲まれた隠岐では、おいしい海藻類が多く収穫できる。特産品のアラメは、デコボコの荒い表面が名前の由来とか。
その隠岐では、アラメ漁は冬の風物詩であり、春ごろからアラメを使った料理が家庭の食卓に並ぶという。
島根といえば、日本三大そばの1つである出雲そばが有名。実は隠岐にも「隠岐そば」というご当地そばが存在する。島後の隠岐の島町、コーヒー&スナック「MASUYA」で味わえる。
まず、そばの短さに驚く。つなぎを使わずにそば100%で作るためという。まるで雑炊のよう。出汁は鯖でおいしく、柚子もきいている。
隠岐そばのそば粉で作られたお菓子が「そばかりん」である。
ほんのり甘い、素朴でどこか懐かしい味わい。薄くて食べやすい、飽きの来ない味がまたいい。
お菓子でもう1つ、「竹島ものがたり」という商品を見かけた。竹島は島根県だが、現在は韓国が占拠し、領土問題でもめている。
その竹島をかたどり、爪楊枝で日の丸をさして立てることができるという。ある意味、隠岐ならではのお菓子という気がしないでもない。
さらに、隠岐を巡ると目に付くのが「神社」の多さである。人口や面積の割に、とても多い。隠岐4島に100以上あるという。日本最古の全国神社リスト「延喜式神名帳」(927年)にも16神社ある。
なぜ、隠岐に神社が多いのか。その理由は「大陸の玄関口」「高貴な人たちが島流し」など諸説ある。日本最古の歴史書とされる「古事記」にも登場し、冒頭の国生み神話で、イザナギとイザナミが淡路島、四国に次いで生んだ島が隠岐である。
隠岐の島旅
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(Written by AS)