1972年(昭和47年)の1月、札幌五輪の聖火が東京を出発(2日)、元日本兵の横井庄一さんグアム島で発見(24日)、日活ロマンポルノ摘発(28日)などがありました。これら時代を表す様々な注目ニュースの裏で、密かに注目を集めた三面記事をご紹介します。
怪獣ブームにつけこんで、テレビで人気があるウルトラマンなど宇宙人のプラスチック人形を、著作権、商業権者に無断でつくり、大量に全国に流していたグループがあることがわかり、東京・成城署は二十七日から著作権法、商標法、不正競争防止法違反疑いで捜査をはじめた。ニセもの製造グループは、岩手県の山奥の農家を秘密工場に改造、農家の主婦などを使って作業させており、推定では数万ダースのニセモノが作られた、という。この宇宙人人形は、怪獣映画などの特殊撮影で知られた故円谷英二氏の円谷プロが考案、東京・台東区寿町のブルマァク社が製造、販売しているウルトラマン、ウルトラセブン、ミラーマンなど。昨年秋からブルマァク社に「手足が簡単に取れる」などの苦情が相次ぎ、同社で調べたところ、大量のニセものが関西を中心に全国に流れていることが分かった。
朝日新聞 昭和47年1月28日
当時は怪獣ブームの真っ只中で、ソフビ人形が空前の大ブームを巻き起こし社会現象にまでなっていたそうです。怪獣人気に乗じて悪事を働いていた集団でしたが、やっぱり本家メーカー様の技術には到底及ばなかったみたいですね。
(Written by 山岸悠也)