20090401_01普通、お漬物といえばタクアンなど野菜を漬けたものを思い浮かべますが、秋田県の横手地方に伝わる「赤漬け」という漬物をご存知でしょうか。

この「赤漬け」、なんと炊いたモチ米のお漬物なんです。一見、主食のように見えますが、地元ではあくまで“お漬物”のひとつと言う認識で、お茶漬けの上にのせたりして食べているそうです。つまり、ご飯のおかずになる“ご飯”ということなんですね。作り方も各家庭で様々で、赤い色の素となる紫蘇や赤カブ、ナスと一緒に漬け込むこともあれば、ブドウをつくる農家ではブドウを入れちゃうこともあるのだとか。

また、県名を冠にしたお米「あきたこまち」でも知られる米どころ秋田には、お米を使ったデザートも古くから伝わっています。水に浸したお米をすり鉢などで砕き、火にかけて透明になるまで練り上げます。その後冷まして、砂糖、酢、果物などを加えて出来上がり。地元では「あさづけ」「こざき練り」「粉なます」などと呼ばれています。今でこそ日本の食卓は豊かになりましたが、食料があまり流通していなかった時代でも、日本人は知恵と手間をかけて少しでも食事を楽しもうとしていたことが伺えると思います。

私のようにグルメ番組を“おかず”にご飯を食べる、ものぐさな人間には耳の痛い話ですね。