聴覚障がい者が歌を唄ったり楽器を演奏することは、果たして可能だろうか?一人ならまだしも、バンドを組みそれぞれのパートを合わせるということ・・・。静寂の世界から生まれくる音楽や声は、私たちに何を伝えようとしているのか?

5月16日より渋谷ユーロスペースで公開されるドキュメンタリー映画「ジャップ・ザ・ロック・リボルバー」。
この映画に出演しているロックバンド『ブライト・アイズ』は、手話ロックバンド。
1988年、名古屋聾学校の音楽部設立をキッカケに、生徒と教員で結成された。メンバー5人のうち、ボーカル、キーボード、ギター、ベースの4人は聴覚障がい者で、聾学校教師であるドラム担当のみが健聴者。手話と声により歌詞を表現する。

どうして耳が聞こえないのにバンドを組もうと思ったのか?耳が聞こえない彼らはバンドをしていて楽しいのか?1曲覚えステージで披露するまでに半年かかる。ようやくステージで披露できたとしても、観客の歓声・拍手はおろか、自分達の奏でる音や歌声すら聞こえないのである。
監督の島田角栄氏は「彼らのライブを生で体感したとき、その痛々しいほどの生命力に体中が震えた。生きていることの喜び、そして圧倒的な孤独をすべてロックンロールというパワーに変えてきたのだろう」と話す。
ままならぬ世界でのたうちまわりながらも、自由を求め踊り続ける彼らの叫び・・・。20年にわたり、はみ出し者の美学を求め唄い続けた彼らの生き方はまさにロックそのものなのだ。

今の日本には、己の運命を嘆き、底知れぬ孤独から抜け出せないでいる人間も多い。もし、あなたが今、運命を受け入れることで孤独に陥っているならば、いっそ彼らのように運命に逆らい、運命を逆手にとって孤独すら武器にして、人生をロックしてみるのもいい。この映画には愛せない自分を愛せるヒントがあるはずだ。

4月25日には渋谷asia Pでのライブも予定。バンドだけでなくみんなで楽しめるイベントになる予定で、映画公開前の彼らに引き続き取材をしてみたいと思っている。

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【問い合わせ】
4/25  イベント Music of the deaf'09 〜vol.1〜
「SIGN SONIC!」
http://www.signsonic.com/

5/16〜 映画「ブライト・アイズ」
渋谷ユーロスペース
TEL:03-3461-0211
http://www.eurospace.co.jp

映画予告サイト:http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=1261043