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体力はとっくに限界を超えており、行けども行けどもそこは一面の砂、砂、砂。遥か彼方に見えたはずのオアシスは、いつまで経ってもたどり着けない蜃気楼。そんな砂嵐吹き荒ぶ不況という砂漠の中、皆様いかがお過ごしでしょうか。

かなり無理矢理な書き出しですが、今回はメジャーな「季節モノ」が多い春にこっそり旬を迎えている蜃気楼についてです。

上で書いたように、映画なんかでは、砂漠を歩いていると広大な泉をたたえたオアシスが見えて、大喜びでオアシスまで走っていくけれどぜんぜんたどり着けなくて、さんざん体力を奪われた後に蜃気楼だったと気づくみたいなシーンがありますが、実際の蜃気楼は砂漠ではなく海岸や湖で見られます。砂漠で見られるとしたら、夏場のアスファルトなどで地面がユラユラして見える「逃げ水」という現象だそうです。

日本では三重県四日市の伊勢湾、福島県の猪苗代湖、滋賀県の琵琶湖、「高島おばけ」と呼ばれる北海道の石狩湾、富山県魚津市の富山湾と、意外にも日本各地で見られる現象のようです。

蜃気楼は、水面上の冷たい空気と温かい空気の温度差による光の屈折でおきる現象で、実際にそこに見えている風景が逆さになるなどして投影されます。蜃気楼として見られるのは、対岸の風景や海岸上に浮かぶ貨物船など。蜃気楼が見られる条件は対岸までの距離が20〜30キロメートルで障害物や高低差がないことであることから、海岸や湖で見られます。

蜃気楼には上位蜃気楼と下位蜃気楼の二種類あり、上位蜃気楼は、実物の上方に、伸びたり反転したりしている虚像が見えるもので、下位蜃気楼は逆に、実物の下方に虚像が見えるものです。魚津では、上位蜃気楼が春に見られるため「春型の蜃気楼」とも呼ばれているそうです。

魚津で上位蜃気楼が出現するのは、年に十数回で、気温や風向風速などあらゆる条件が必要で、出現しやすい4月から5月の間でもそう簡単にお目にかかれるものではないそうです。映画では蜃気楼を見て大抵ガッカリしますが、実際は見られればむしろラッキーな現象なのです。

お話を伺った「魚津埋没林博物館」のホームページでは、蜃気楼の記録や図解などもあり、かなり親切な紹介になっています。

魚津埋没林博物館
http://www.city.uozu.toyama.jp/nekkolnd/index.html