20090616_01

私が高校生の頃の話である。
クラスキャンプで県内にある海水浴場へ行き、その夜の出来事…
私は友人4人と並んで砂浜に寝転び、満点の星空を眺めていた。こんな星空を見ていたら、この夏休みの宿題をどうやって終わらせようかなんていう小っちゃな悩みなんてどうでもよくなってくる。(後日、この悩みはとても小っちゃな事では片付けられなくなってしまうのだが…) ちょうど5つ目くらいの流れ星を確認したころであろうか、非常にゆっくり動く星を見つけた。

「おい、なんだあれ?」
「あ〜、あれは人工衛星だよ。」
小さい頃から天体観測が好きだった私は、頻繁に人工衛星を確認していたからわかる。そう、あのスピードは人工衛星に違いない。そう思った瞬間である。人工衛星かと思われた光は、突然方向を転換し、あらぬ方向へ信じられないスピードで去っていったのである。
「おい、人工衛星ってあんな動きするのか?」
「…」
石川県羽咋(はくい)市。乗用車や観光バスでそのまま海岸を走れる海岸・千里浜を有する、石川県自慢の観光地の一つ。この羽咋市、マニアにはたまらない観光名物が存在する。実はここ、世界でも有数のUFO目撃多発地域なのである。それは、「ナベが人をさらう」と古い文献に書き残されている程である。実際に羽咋市在住の方に聞いてみたところ、
「その辺に犬や猫がいるように、空には鳥やUFO…といった具合に、子供の頃はUFOの存在は当たり前のように思っていましたよ。」
ちょっと大げさじゃない? って思う方もいらっしゃるかもしれない。だが、なんと羽咋市は、市が全面的にUFOの存在を信じ、観光名物にしてしまっている。その象徴ともいえるものが、宇宙科学博物館‘コスモアイル羽咋’である。

この博物館には、TVで実際に見ていた、あの宇宙ロケットや探査船の実際の機材などが展示してあり、他にも隕石や宇宙人(※本物はいません)やその関連書や目撃情報データベースも展示されています。注目すべきは、その‘関連書’。つまりこれ、かつての人気TVシリーズ「X-ファイル」そのものじゃありませんか!
「市が税金を使ってこんなものを…」
なんて声が聞こえてくる気もしますが、ここにはコンサートホールや会議施設なども併設されており、観光目的だけではなく、地元の皆様にも利用され、愛されている施設なのです。
満点の星空の下、波の音を聞きながらの渚ドライブウェイ。もしかしたら、宇宙人にとっても、ここは地球の観光名所の一つなのかもしれませんね。

コスモアイル羽咋
http://www.hakui.ne.jp/ufo/

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(Written by 川上ルイベ)