20090713_01みうらじゅんが命名し、社会的にも認知された「ゆるキャラ(ゆるいキャラクター)」。
全国各地に生息するゆるキャラだが、中でも北海道はゆるキャラ生息率が高い地域として知られている。
そんな北海道のゆるキャラたちの誕生秘話やその活躍ぶり、ゆるぶりを紹介する。

札幌の中心部に位置し、観光名所として有名なさっぽろテレビ塔。そのお土産売り場でもっとも目立つ位置にドーンと置かれているのが、テレビ父さんグッズ。2002年春に誕生した同キャラクターは、Tシャツにストラップ、文房具にポストカード、はたまた入浴剤におまんじゅう、甘納豆まで。観光客はもちろんのこと、地元札幌市民にもファンが多く、今では北海道有数のキャラクターといえる。
「さっぽろテレビ塔=テレビ父さん」なのだが、実はこのキャラ、テレビ塔の非公式キャラクター。つまりテレビ塔に公認されていないのだ。

さっぽろテレビ塔の公式キャラクターは、「タワッキー」という。2002年4月、テレビ塔のリニューアルを記念して誕生したのだが、今ではその存在を知る人はほとんどいない。なんせタワッキーが登場した一ヵ月後にテレビ父さんが誕生し、おいしいところをみんなもってかれてしまったからだ。

テレビ父さんを考案したのは、札幌在住のイラストレーター・亀さん。
ポストカードや缶バッジ、Tシャツなどを制作する工房アルティスタから依頼を受け、テレビ塔に合うキャラクターを作成。
全身真っ赤で緑の腹巻、ちょび髭を生やしたゆるいヤツ。亀さんはキャラの完成を伝えるメールを送る際、敬意をこめて「さん付け」にしようと「テレビ塔さん」と書くつもりが、パソコンの変換ミスで「テレビ父さん」になってしまう。
「まっいっかぁ」と送信したキャラが、その後大人気キャラクターに成長するは誰が思ったことやら。もし変換が「父さん」じゃなくて「倒産」になっていたら、どうなったんだろう……。

20090713_02「タワッキー」に気を遣い(?)非公式キャラクターとして試験的にTシャツを販売したテレビ父さん。全く宣伝もしないのに2週間で用意した20枚を完売。その後もポストカードを販売したが、店頭に並べては売れ並べては売れと生産が追いつかないほどの大ヒットに。
「テレビ父さんがすごいことになっている」。

売れたら面白いなぁくらいに思っていた制作者や仕掛け人たちも驚くやら呆れるやら。

ちなみにテレビ父さんのヒットで気をよくした、札幌テレビ塔を管轄する北海道観光事業。2005年には、こちらも札幌の観光名所である札幌市時計台のキャラクターを、テレビ父さんの作者・亀さんに依頼した。テレビ父さん同様のゆるーいキャラクター。名前は時計大臣。当然のように(?)次々とグッズ展開される人気ぶりだ。

20090713_03※テレビ父さんグッズはココで買えます
札幌市中央区大通1丁目
さっぽろテレビ塔

テレビ父さん公式サイト
http://www.tv-tower.co.jp/103/

(Written by みぞてたかし)