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今や暑い夏に欠かせない風物詩となっている『かき氷』、『フラッペ』。
この2つに対する筆者のイメージは、屋台では『かき氷』、ちょっとオシャレなお店で出てくるのが『フラッペ』、のような感じ。かき氷が和風でフラッペが洋風、とでも言ったところだろうか。しかし、厳密に何が違うのかと聞かれると答えづらい。『かき氷』はいいとして、『フラッペ』って一体何?このままでは気持ちよく夏が迎えられないので、この2つの違いを調べてみた。

三重県に本社のある『中部コーポレーション』。建材製品やかき氷機などのフード機器の製造販売を行っている企業だ。調べたところによると、どうやらこの企業が『かき氷』と『フラッペ』の違いについて鍵を握っているようなので、直接お話を伺ってみた。

以下中部コーポレーションの御回答

Q.「フラッペって何ですか?」
A.「フラッペは1970年頃に弊社が考案した氷菓子で、かき氷が元になっています。」

Q.「・・・というと?」
A.「昔から庶民に大変親しまれてきたかき氷ですが、1950年代後半になるとアイスクリームの普及によって駄菓子屋から姿が減りかけたのです。そこでかき氷の機械を作る中部コーポレーションが、『かき氷』に『フラッペ』という名前をつけて世に広めたのです。」

Q.「あれ、ということは、『かき氷』=『フラッペ』ということですね?」
A.「いいえ、全く同じものではありません。『かき氷』を元に考案された『フラッペ』のレシピはただ氷を削るだけのものではなく、そこにフルーツを入れたり、トッピングを付けたりとただの『かき氷』よりも色鮮やかにしたものでした。実は1970年代にそのレシピを付けた『かき氷作り機』を喫茶店やレストラン業界にPRしたことによって世の中に広がっていったのです。」

なるほど、『フラッペ』はかき氷が衰退していく中にかき氷機屋さんが投入した救世主だったのだ。中部コーポレーションはフラッペがどんどん世の中に浸透して欲しかったので、これを商標登録などはしていないそう。
ちなみに『フラッペ』という名前の由来は、フランス語のfrapper(=凍らす)、英語でfrappe(=果汁を凍らせたもの)の他に、氷削機本体のフレームが鋳物製ということもありfrappe〔フラップ〕(=鋳造)の意味も含まれているそう。

これまでオシャレなイメージに圧倒されて『フラッペ』よりも『かき氷』を食べていた。しかし、かき氷機の付録のレシピから生まれたと聞くと、今年の夏はフラッペにも親しみを持って接することができそうだ。

(Photo by フリー素材屋Hoshino