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北海道には、各市町村や自治体別に多くのマスコットキャラクターが存在する。市町村数が180(大合併前は212)だから町役場、町の青年団、町の施設とひとつの町でキャラクターが3ついれば、単純にそれだけで600のキャラクターが北海道にいることになる。しかしそれらの多くはキャラクターができたことで満足してか、「キャラ完成=終了」のごとく、せいぜい名刺やパンフレットの片隅にポツンとそのキャラクターがおさまっている程度のものが多い。
そんな中、町民、ゆるキャラファン、そして観光客と多くの人々に愛され続けているキャラクターがいる。

その名は「たら丸」。

1985年に町の観光PRのため一般公募が行われ、岩内町の名物であるたらをモチーフにした「たら丸」が誕生。ちなみに手に持っているアスパラも町の名産品である。誕生当初は町内のイベントに出没したりと活躍していたが、当時はまだゆるキャラという言葉もなかった時代。しだいにその存在も薄れていき、それどころかイベントに出演しても子どもたちから石を投げつけられるなどの苦節時代もあったという。

しかしそんな「たら丸」に大きな転機が訪れた。

2006年春にオンエアされた「テレビチャンピオンゆるキャラ王選手権」に出場。大きくて動きにくいキャラクターが多い中、身動きのとりやすいたら丸は、珍妙奇妙な動きを連発し大いなる注目を集め、しかも並み居る強豪をなぎ倒し見事準優勝に輝く。同時に当時すでに北海道のスターだった大泉洋出演のバラエティ番組にも出演。数体のキャラの中でも一番大泉に突っ込まれ、「おいしい」ポジションでお茶の間の話題をさらった。

その後は人気も一気に急上昇。町内の道の駅には多くの観光客が訪れ「たら丸」のイラストがある看板やマンホールの前で写真を撮る人も急増加。これまで冷めた目で見ていた町民も、我が町の誇りとばかりにたら丸を大応援。町内会の盆踊りや小学校の運動会など、毎週のようにイベントに引っ張りだことなる人気ぶりだ。

20090812_02グッズ販売も好調で、ストラップ、Tシャツなどの定番はもちろんのこと、町内のお店とのコラボ商品も話題。中でも明治33年創業の老舗和菓子屋が手がけた「たら丸」の焼き印付きのどら焼きはGWに道の駅で販売をスタートし売れ切れ続出の大ヒットに商品となる。

20090812_03ちなみに動きが激しいため痛みの多いキグルミは、現在3代目(前代のキャラは「ゆるキャラ王選手権」の激闘後ボロボロになってしまい、某スポーツ誌に「たら丸重傷」という記事が載った)。8月は岩内町のみならず、各地のイベントにも出演する「たら丸」。岩内の星・たら丸のさらなる活躍に大大大注目だ!

(Written by みぞてたかし)

http://www.town.iwanai.hokkaido.jp/
岩内町役場HP内では「たら丸べに子のいわない探検隊」を連載中。イベント出没情報もココでチェックできます。