義足の猫・育生なるみ

2008年2月、神奈川県藤沢市で一匹の猫が保護された。
その猫は3本の足が切断されていた。

怪我の原因は、保健所指定の病院は「電車に轢かれた」との見解であった。病院の判断で、後ろ両足を膝下で、右前足は足先を断脚手術し、命を取り留めた。保護主は、難しい病気と闘っている子を含めた2頭の犬を飼っており、猫は飼うことは出来なかった。
そのため、現在はベテランボランティアの石丸まさよさんが一時預かりをして、里親を探している。猫は育生(なるみ)と名付けられた。

義足の猫・育生なるみ傷が治り、少しずつ行動範囲を広げる育生に、石丸さんが義足をつけることを考えた。義足メーカーの方や、獣医などの力を借りて試行錯誤し、育生に自由を取り戻してやりたいと願った。



義足の猫・育生なるみ2008年4月、怪我をしてさまよっていた時期に妊娠していた育生が一匹の子猫を生む。妊娠初期にレントゲンをとっていること、麻酔を使っていること、投薬をしていること、出産3日前にワクチンをうっていることなどから心配されたが、子猫は五体満足に生まれ、芽衣(めい)と名付けられた。そして1本足のママが誕生した。

石丸さんは、他にも捨てられた犬や猫を保護している。この時、品川で保護された、生後2週間の6匹の猫の兄弟がいた。その中で、ひときわ体の小さい猫がいた。小粒(こつぶ)と名付けられたその猫は6匹兄弟でいつもあふれてしまい、弱い子で母ネコにも放置されていた。育生は育ての親として、この小粒を自分の子供と一緒に育てたのだ。おっぱいをあげ、毛づくろいをしてやり、優しく包み込んだ。「きっと育生ちゃんがいなければ小粒はもっと短い一生を閉じたと思います。」と石丸さん。その他にも、育生は、生後間もない目の開かないうちに施設にやってきた3匹の子猫などを育てた。

義足の猫・育生なるみ義足の猫・育生なるみ
兄弟におっぱいを上げる育生小粒

育生は子猫を助けただけでなく、預かり主の石丸さんにも素敵な出会いをもたらした。「義足を作りたい」という石丸さんの気持ちを汲み、最善を尽くしてくれた義足会社の社長、獣医。保護主と石丸さんの繋いでくれたボランティアさん。育生の支援のために義援金を募金してくれた、たくさんの人たち。石丸さんは「素敵な御縁や、信頼ということ、あきらめないということを 育生ちゃんは私のもとに運んできたのだと思います。」と語る。

石丸さんによる育生のブログ
http://ameblo.jp/inunekodaisuki/