20090901_11ここに一曲の歌がある。「HANA」。暮部拓哉というアーティストの曲である。
かれこれ一年以上も前に発売された楽曲だが、ここ数ヶ月、僕のiTunesでヘビーローテーション中。演奏回数はゆうに100回を超えている。
この曲と出会ったのは日本テレビ系で放送されていた番組「誰も知らない泣ける歌」が今年の2月に発表したオフィシャル外伝コンピレーションアルバム「もらい泣き篇」の中。松山千春、一青窈、木村カエラなど蒼々たるアーティストたちの楽曲と肩を並べ「HANA」が収録されていた。
ピアノとギターの旋律と共に聞こえてくる優しい歌声とどこか懐かしく、それでいて切ない歌詞は心に染みこんで涙腺を緩める。
この曲と出会って以来、片付かない仕事との格闘でイライラする夜に必ず聴いては癒されてる。

大阪枚方出身の30歳のシンガーソングライター・暮部拓哉。調べてみると19歳の時、ヤマハ主催の『TEEN'S MUSIC FESTIVAL』でグランプリのティーンズ賞を受賞(暮部が受賞する3年前には等身大ラブソングの女王aikoも受賞している)という実力の持ち主だったのだ。
21歳で上京してからは都内ライブハウスを中心に弾き語りライブを展開し、インディーズでCDも発売。そんな地道な活動の中で「HANA」は生まれた。きっかけは友人のお母さんの死。母の死に直面しながらも気丈に、立派に生きる友達の姿に感銘し、出来上がった歌だそうだ。

そして2008年2月、「HANA」がNHK『みんなのうた』に採用される。まさに大きく「HANA」咲いた瞬間だ。放送したとたん各方面から話題を呼び、二ヶ月の放送が終了した後も再放送を希望する声がとぎれることはなく、同年6月からの二ヶ月間、再放送に至ったことからもこの曲の魅力が垣間見れる。

そんな彼の、「HANA」の魅力は子供たちにも波及しているという。ライブ会場やって来た小学2年生の男の子のエピソードを紹介しよう。クラス替えの謝恩会の出し物で少年は「HANA」を歌ったという。するとクラス全員が口ずさみ、最終的には合唱となったそうだ。本当に良い歌は年齢性別を越えて、愛されるのだ。

老若男女に支持されつつある、今、最も注目すべきアーティスト、暮部拓哉。現在は所属事務所のある吉祥寺に根付き、いろいろな場所でライブを行っている。

スピーカーからでも泣けるこの曲を生で聴いてみたいという衝動に駆られている。どれだけの涙があふれるのだろう?心配でも、ある。

9月16日には吉祥寺STAR PINE'S CAFE、30日には高田馬場CLUB PHASEでのライブが控えている。どちらかには足を運んで、実体験してみたいと思う。

最後に「HANA」の一番好きなフレーズを。
「うしろ姿悲しく振り向けば 影はもうどこかの風」

暮部拓哉オフィシャルサイト
http://kurebetakuya.com/index.php