特徴は、濃く、黒いつゆダレを太く柔らかい麺に絡めて食べるというその独特の食べ方。数多い麺類の中でも特に個性的なものだろう。
この食べ方にも理由がある。もともとは地元の農民などがうどんに地味噌からできた『たまり』などをかけて食べていたのが起源と言う説がある。だが、それだけではない。伊勢が誇る伊勢神宮の影響が強いというのだ。江戸時代に起こったおかげ詣りのブームで人が大挙したときに、地元のうどん屋が、大人数や団体の参拝客に対し、いかに早くうどんを提供できるかという事を考えて売り出されたのが今の伊勢うどんの原点となっているのである。茹でっぱなしで柔らかくなった麺にタレをかけて提供するという伊勢うどんのスタイルが、速度を求める販売方法に最適だったのだ。
そして現在でも、伊勢うどんは伊勢市を中心に親しまれている。伊勢うどんを提供する食堂も多く、家庭料理としても親しまれ、そのタレは地元醤油メーカーによって県内のスーパーなどでも市販されている。だが各店、各家庭でタレに特徴が出る。基本的にはたまり醤油ベースであるが、そこに昆布やかつお節、煮干しなどでダシをとってそれぞれの味を作っている。濃くて黒いつゆは、ざるそばなどのそばつゆのイメージを持っているためか、その色から受ける印象は塩辛いと思いがちだが、実際には味は塩辛さよりも甘さが強く、汁だけでも飲めるまろやかなものとなっている。
江戸時代から今にいたるまで、伊勢神宮にお参りに来たときの定番料理の一つであるが、最近では、通信販売などでも伊勢うどん専用の麺や、その独特のつゆが販売されているほどである。その濃くて黒いつゆや、柔らかくなるまでゆであげた麺など、既存のうどんとは大きくかけ離れたある種独特のものではあるが、固定概念を捨てて、ぜひ一度食べてもらいたい一品である。
(Written by 青山鉄平)
取材協力 お食事処いっぷう
TEL:0596-25-6006

江戸時代から今にいたるまで、伊勢神宮にお参りに来たときの定番料理の一つであるが、最近では、通信販売などでも伊勢うどん専用の麺や、その独特のつゆが販売されているほどである。その濃くて黒いつゆや、柔らかくなるまでゆであげた麺など、既存のうどんとは大きくかけ離れたある種独特のものではあるが、固定概念を捨てて、ぜひ一度食べてもらいたい一品である。
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