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京都の祇園祭は鱧祭(はもまつり)とも呼ばれ、この時期に旬を迎えていることからハモ=夏の京都の味覚、しかも高級品というイメージが強いかもしれない。それがここ数年で鹿児島市内のスーパーでも「ハモ」が湯びきされた状態で売られるようになってきた。しかもかなりお手頃価格!これは何故なのか?

実は鹿児島の志布志湾でもハモが水揚げされていて、その漁獲量は全国でもトップクラス。ただ残念なことにこれまではいまいち知名度は低かった。志布志市漁業協同組合の坂口さんによれば、14〜15年前まではかなりの高値で取引されていたハモも、10年ほど前から韓国などからの輸入物が増え、価格が暴落してしまった。そこで、価格を安定させて漁師さんの生活を守るため、またせっかく志布志で水揚げされるハモを、消費者が多いからと関西圏へ出荷するより地元で消費してもらおうと、平成17年に当時の志布志町の補助事業を利用して漁協がハモの骨切り機を導入したそうだ。
そう、ご存知の通りハモには細かい骨が多く、上手に骨を切らないことには食べにくくてしょうがないのだが、そのためには熟練した職人の技も必要だ。

導入されたハモの骨切り機は関西のメーカーが製作したもので、水揚げされたばかりのハモを中開きにし、この骨切り機に通すとなんと1mm幅の間隔で骨を切ってくれるという優れもの。坂口さんも「食べてもまったく骨が気にならないほど」で、熟練職人顔負けの仕上がりだと言う。ちなみにこのハモの骨切り機を導入している漁協は九州でも志布志市くらいでは?とのこと。
現在、「志布志のハモ」は、漁協の直売店「びろう」で骨きりされた状態で真空パックされ、300g700円ほどで販売されている。さらに天ぷらなどの惣菜にも加工され、同店の人気商品になっている。また志布志市の学校給食でもハモを使ったメニューが考案され、地元の子どもたちが口にする機会も増えていると言うから、当初の目的であった「地産地消」もかなり広がってきているようだ。
そんな「志布志のハモ」を食べてみたいという人は、直売店での購入のほか、個人での取り寄せにも応じてもらえる。

(Written by おばらけいこ)

20090912_02志布志市漁業協同組合
電話 099-472-1011
直売店「びろう」
電話 099-472-6211